嚥下障害リサーチセンター 筋萎縮性側索硬化症の嚥下障害

国立精神神経研究センター 山本敏之先生。

1)上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの障害で感覚神経系、自律神経系などは保たれる。

2)発症から死亡もしくは気管切開下陽圧人工呼吸が必要になるまでの中央値は20~48か月だが個人差がある。

3)上位運動ニューロンの障害は筋力低下、痙性麻痺、深部腱反射亢進、バビンスキー徴候で下位運動ニューロンの障害は筋力低下、筋委縮、線維束性収縮、深部腱反射低下など。

4)経過中に嚥下障害はほぼ必発する。

5)嚥下関連筋の運動障害のみならず、頚部体幹上肢の筋力低下や呼吸筋障害、うつ症状、認知障害も摂食嚥下に影響する。

6)口腔期障害先行と咽頭期障害先行がある。

7)不顕性誤嚥を認めることがある。

8)呼吸不全と摂食嚥下障害は併行して進行する。

9)栄養不良は生命予後に影響するため、病初期から栄養管理を行う。

10)定期的な栄養評価を行い、体重減少を最小限に抑える。

11)進行期にはエネルギー消費は減少していくため、投与エネルギー過多に注意する。