嚥下障害リサーチセンター 筋強直性ジストロフィーの嚥下障害

国立精神神経研究センター 山本敏之先生。

1)常染色体優性遺伝で成人の筋ジストロフィーでは最多。

2)筋線維が障害され、筋力低下と筋委縮が現れる。

3)斧様願望、ミオトニアを特徴とする。

4)高口蓋や開口が良く見られる。筋線維以外にも多臓器が障害される。

5)心機能(心伝導障害、心筋障害)中枢神経系(認知症、性格変化、傾眠)眼症状(白内障、網膜変性症)内分泌異常(対等脳障害、脂質異常症)。

6)平均寿命は55歳で肺炎、呼吸不全で死亡し根治的治療はない。

7)嚥下障害の自覚なく、高率に嚥下障害を合併している。

8)嚥下障害を合併した患者はより高度の運動障害があるが、年齢が若く、体重減少が目立たなくても、嚥下障害を合併する。

9)歯牙状態が悪く、咬合不正が多い。

10)嚥下造影検査では、舌運動の障害、軟口蓋挙上の障害、咽頭腔の拡大、咽頭収縮力の低下、咽頭クリアランスの低下、食道入口部の開大不全、食道の拡張などが見られる。

11)嚥下障害は窒息や肺炎の原因となる。

12)呼気流速が低下し、気道に入った異物を咳嗽できない。