治らない嚥下障害への対応

大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能治療学教室 准教授 野原 幹司先生 嚥下障害で一番多い原疾患は脳卒中で急性期をから回復期をえてプラトーにいたる。慢性期に至った機能障害は原則治らない。機能維持のために訓練は必要だが回復にはつながらない。ざっくりいうと廃用に関しては訓練で回復するが、慢性期の機能障害は難しい。認知症やパーキンソンなどの進行性疾患に対しての対応をどうするか。進行性疾患に対してキュアからケアへ。訓練から支援へ。認知症の嚥下障害はその原因疾患で出方が違う。アルツハイマー型認知症のエピソード記憶の障害は絶対で否定しても始まらない。逆にレビーは病識がある人もいるので注意する。見当識障害は時間、場所、人物の順。視空間認知障害は頭頂葉の血流障害と言われている。 アルツハイマーは食行動の障害(食べない、飲み込まない)、レビーは嚥下障害(ムセ、誤嚥性肺炎、窒息)。